相続相談・手続き
相続手続きは、細かく分けると70種類以上もあると言われています。大きく分けると、年金、保険、税金、名義変更手続きの4種類。ご遺族の負担にならないように、今から考えておきたいものです。
どの手続きが面倒なの?
人が亡くなると、実にさまざまな相続手続きが発生しますが、相続手続きは大きく分けて4種類。①年金、②保険、③税金、④名義変更手続きです。
このうち、年金と保険はそんなに面倒を感じるものではありません。なぜなら、受け取る方があらかじめ決まっている場合がほとんどなので、相続人を客観的に明らかにする資料を用意することや、相続人全員の同意を得ることなく、受け取る方がひとりで有効に手続きを行うことが可能だからです。
では、相続手続きが大変だと言われている理由はなんでしょうか。それは、税金と名義変更に面倒を感じる場合が多いからです。
相続税の控除額(*平成27年1月1日現在)
まず、税金ですが、一番大きなものに、相続税があります。これは亡くなられた方の遺産に対して課税される税金です。相続税は、すべての方に課税される税金と思いがちですが、ある一定の控除額、要はこの金額を超えなければ税金をかけない、という枠があらかじめ定められていますので、その枠を超えた分だけ、納めればいいのです(累進課税が適用されます)。
たとえば、夫婦とその間に子どもが2人いる家族の場合、夫が亡くなれば、相続人は、妻と子ども2人の3人なので、相続税の控除額は、3000万円+(600万円×3)=4800万円ということになり、夫の遺産がこの金額を超えない限り、相続税を納める必要がないのです。遺産が控除額を超えなければ、納税だけでなく申告も不要なので、相続税の手続きは何もしなくて大丈夫ということになります。
一番大変なのは名義変更
相続税は、納める場合は大変面倒な手続きが必要ですが、ほとんどの方は申告すら不要なため、大多数の方にとって一番大変なのは、名義変更手続きということになります。
名義変更手続きにも不動産、預貯金、株券等さまざま種類がありますが、手続きで使う書類はすべて似たようなものばかりで、特に不動産で使う書類が一番詳しいものです。
そのため、たとえば不動産の手続きを司法書士に依頼して、手続き書類をすべて集めてもらい、手続き完了後、その書類一式を返却してもらい、それを預貯金や株券の手続きに使いまわすといったことを行えば、面倒な書類収集を自分で行う必要もなくなります。
この名義変更が完了すれば、相続手続きの9割5分は終わったようなもの。後の手続きが残っていたとしても、急がずゆっくりその都度行っていけば、大きな不利益はないと言えます。相続手続きは交通整理さえしっかりできていれば、混乱することもなく、スムーズに行うことができるのです。