毎日供養(線香・蝋燭・お花など)
お線香のお話
線香の起源は、推古天皇3年(595年)に淡路島に香木「沈香」が漂着したのがはじまりとされています。
なぜお線香を供えるのか?
お線香をお供えすることは、香煙を通じて仏様とお話しすることであるといわれています。
自分の身を清めたり、仏様の食事といった意味合いもあるようですが、なによりも、よい香りで心を落ち着けて仏様と向き合うことに大きな意味があるといえます。
仏教では、人が亡くなって来世の生を受けるまでの間が四十九日(七十七日)までといわれておりこの間は、お線香を食物とするそうです。次に「生」への体を養うため、仏教の教えでは魂のよい霊は「妙香」を、悪い霊は「悪香」を食べるとされています。
ですから、昔の人は「早く新しい生を受けられるように」と四十九日まで線香を絶やさず、「よい魂に生まれ変われるように」と少しでもよい線香をあげていたといわれています。
今は利便性を考えて「お線香」ですが、元は香り・煙をだすための「香木」といわれていました。
線香は、一度火をともすと燃えつきるまで芳香を放ち続けることから、命あるかぎりの仏さまへの信仰と、自らがものごとを行うとき努力し続けることをあらわしています。 また、線香はよい香りを放って、時と所の不浄をすべて清める徳をもっています。ですから身体や心の汚れをはらい、清浄な心で仏さまにお参りするために線香を焚くのです。
最近ではいろいろな種類の線香があり、香りを高めたもの、煙をおさえたもの、長時間香りを漂わすことができるものなどがあります。
線香は、通常1〜3本立てますが、正式には宗派により異なり、浄土宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗は1本、天台宗・真言宗は3本となっています。複数本を立てる場合は、まとめて立てるのではなく1本ずつ立てるようにします。また、浄土真宗では1本の線香を3本に折って、横にねかせて焚きます。
お線香やロウソクの火を消すときは、手であおいで消すのが礼儀とされています。
お線香の種類
線香は、主な原料によって「杉線香」と「匂い線香」の二種類があります。
- 杉線香
- 杉の葉の粉末を原料に製造されます。
杉特有の香りのする煙の多い線香で、主にお墓用線香として使われます。 - 匂い線香
- 椨(タブ)の木の樹皮を粉末にしたものに、白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)といった香木の粉末や他の香料、炭の粉末、その他の材料を加えて練り、線状に成型・乾燥させたものです。広く家庭や寺院で使われている線香です。現在では、匂い線香もさまざまな香りの物もあり、煙の少ない線香などやお香としてさまざまなライフスタイルや癒しの香りとして利用する用途により異なるものもあります。
最近では、微灰・微香、煙の少ない新機能の線香がもてはやされています。